3回路 同軸切替器の製作(DC〜2400MHz)
同軸の切替器はメーカーから各種販売されていますが、そのほとんどの製品が1200MHzまでで、また2回路のものがほとんどです。
マイクロ波用のロータリー式のリレーも見かけることも有りますが、非常に高価で使いにくい物です。
そこで、広帯域受信機のアンテナ切替、トランスバーターの選択、測定器の選択と多機能に使える3回路同軸切替器を製作してみました。
同軸の切替にはオムロンの「G6Y」同軸リレーを使用し、切替には簡単なロジック回路を組みました。
また切替信号はTTLレベルの信号で切り替わる様に製作しました。
これは、後にリモコン、PC等でコントロール出来るように考えたからです。
動作電圧は5Vとしましたので、電池での運用も可能です。
今回も製作に当たっては下記の目標としました。
周波数:DC〜2400MHz
アイソレーション:30dB以上(2400MHz)
ロス:1dB以内(2400MHz)
電圧:5V
消費電流:150mA以下
TTLレベル切替
今回は回路も簡単なので、いきなり本番の基板を作ってしまいました。まあ、特にミスも無く作られたので一安心です。
コントロールICにはTD-62083(東芝)を使用しました。このICはトランジスタアレイ構造になっており、 外付け部品が少なくてすみます。
出来上がった基板のサイズも小型に作れました。64mm×36mmで、ガラエポの1mm両面スルーホールとしました。
早速、部品を実装してみました、本当に部品点数が少ないのがわかります。
裏面にはリレーが付きます。
回路図
基板のままでは使えませんので、NJコネクターを付けて、簡単なケースに入れてみました。
また、切替の様子が解るように、LEDで表示出来るようにしてあります。
ネットワークアナライザーを使って、各ポートの特性を測定しました。
●通過損失(dB)
周波数
50MHz
144MHz
430MHz
1280MHz
2400MHz
3000MHz
ポートA
0.04
0.10
0.24
0.72
0.67
1.3
ポートB
0.06
0.13
0.29
0.66
2.0
2.4
ポートC
0.05
0.12
0.30
0.99
2.7
1.6
結果としては、1200MHzまでは実用範囲で2400MHzでは損失がポートによって多いようです。
アイソレーション(漏れ)ですが、1200MHzまでは55dB以上で、2400MHzですと30dB程度でした。
やはり2400MHzでは送信系にはちょっと厳しそうですが、受信、測定には問題ないでしょう。
どうも、ケーブルを基板に付けたので、2.4GHz付近では性能にばらつきが出たようです。
この基板は直接、SMAコネクターも付けられるように工夫してありますので、ケースを加工して作れば、 もう少し性能が向上すると思われます。
測定の結果下記のような性能となりました。(改良の余地あり)
周波数:DC〜1300MHz
アイソレーション:60dB以上
ロス:1dB以内
最大通過電力:10W
電圧:5V〜15V
消費電流:150mA以下
TTLレベル切替
今度はSMAコネクタータイプを製作してみます。
・・・・・続く。
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2005.02.28(更新)
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