今回は念願であった24GHz帯パワーアンプを製作してみました。
使用したデバイスはEudynaのMMICで「EMM5832VU」で、入荷しましたので、早速実験をしてみました。
このモジュールもパワーMMICで、21.2GHz〜26.5GHzまで広帯域で使用できます。
スペックは下記の通りです。
EMM5832VU
VDD:6V
IDset:800mA
POWER:31dBm TYP(P1dB)
FREQ:21.2GHz〜26.5GHz
GAIN:19dB TYP
このMMICも入出力が整合されており、とても使いやすいデバイスになっております。
ドレイン電圧は6Vで、ゲートバイアス電圧は最大−3Vで、IDを800mAになるように電圧を調整しなければなりません。
GAINは約20dBもあります。、出力は31dBm以上となっています。
今回もメーカのデータシートを見ながら、毎度ながら適当に基板を作成して実験して見ました。
基板は0.4mm厚のテフロン基板(R−4737)で製作しています
24GHzで使用しますので、パターンは金メッキをしております。
前回と同じように実験に当たっては、アルミミーリングケースに回路を組み込み、内部にレギュレーター(LM338T)でVDD電圧を得ています。
VGG電圧はLM2662を使用して−5Vを得ています。
今回も回路に保護回路を入れています。ゲートバイアス電圧が入らない時には、ドレイン電圧が1V程度まで降下します。
入出力コネクターには、SMAJ端子を使用しています。電源端子は1000pFの貫通コンです。
実際に製作してみますと非常に発振しやすく、調整が非常に困難です。(基板のパターンが悪いか・・)
デバイスには銅板でカバーをして有ります。これは発振防止の為です。
パワー測定はSGから24.2MHzをCWモードで入力して電力を測定しています。
パワー計はHP437B+HP8485A(26.5GHz用)+20dBATT(26.5GHz用)で測定しました。
周波数:24.02GHz
入力:10mW
電圧:13.8V(VDD 4.5V)
VGG:−0.5V (IDset1.2A)
出力:250mW以上(ピーク)
ほぼ無調整と言いたい所ですが、調整が非常に難しく、ドレイン電圧、ゲート電圧、スタブの調整の繰り返しでした。
どうにか10mW入力で250mWを得られました。ゲインは約14dBでした。
まだまだ調整が必要なところです。SGの関係で10mW以上の入力が出来ませんでしたが、最大出力はもう少し出ると思います。
電流値は0.7A程度でした。
このMMICも温まってくると、当然パワーは下がってきますので、十分な放熱が必要です。
やはり24GHzになると調整が非常に微妙で、スタブの位置、ドレイン電圧、ゲート電圧を交互に調整しないと、すぐに発振してしまいます。
発振すると0.5W程度のパワーが出る事もあり、調整には細心の注意が必要でした。
もう少し回路を見直して、16dB以上のゲインを得たい物です。
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