Mos−FET超小型2400MHzアンプの製作


NECから発売された新型のMOS−FETを使ってパワーアンプの 実験をしてみました。

以前、NECの新型のMOS−FETで1200MHzのアンプ実験を しましたが、今度は別のデバイスを使って実験してみました。

NE552R479A NEC

このFETは主に2.4GHz帯ように作られたもので、低電圧でパワーが 得られるデバイスです。

ご存知のように、GaAsアンプと違いMOSは通常のトランジスタの ように1電源で動作でき、マイナス電源が不要です。
アンプの製作も非常にらくで、部品点数も少なく自作するのには 最適なデバイスです。

このNECのデバイスは多数のシリーズがありますので、用途によって チョイスできます。

詳しいデータは下記 

http://www.csd-nec.com/microwave/japanese/pdf/PU10124EJ03V0DS.pdf

今回は2427MHzで実験しました。

まず、シングルでの動作ですが、

  • 入力:50mW
  • 出力:500mW
  • 電圧:6V

  • 入力:100mW
  • 出力:780mW
  • 電圧:6V
共に消費電流は350mA程度でした。

MOS−FETですので、1電源で動作可能ですので、回路構成は非常に 簡単です。

さらに2段構成の基板を作り実験しました、2段目はウイルキンソンで2パラ動作です。



  • 入力:100mW
  • 出力:1700mW
  • 電圧:6V
  • 電流:1350mA

さらに電圧7Vでは2Wの出力を得られました!!

詳しくは、後ほど発表しますが、なかなか面白いデバイスです。
これからはMOS−FETが主流になるのでしょうか、GaAsですと環境にも良く ないし、作りにくいですし(^^;
もっと多くの種類のMOS-FETが出てくることを期待します。



引き続き、MOS−FET NE552R479A (NEC)を 使った実験をしました。

今回も2.4GHzでのアンプです。
少し基板を改良して、各段のバイアスを調整できるように 作り直しましたら、その結果、安定して出力を得ることに 成功しました。



下記に実験結果記載します。

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NE552R479A (NEC) 2段パワーアンプ(3石)

測定周波数:2427MHz

*入力電力:50mW
電圧:5V 出力:1440mW 消費電流:1.2A
電圧:6V 出力:1820mW 消費電流:1.4A
電圧:7V 出力:2270mW 消費電流:1.3A

*入力電力:70mW
電圧:5V 出力:1550mW 消費電流:1.2A
電圧:6V 出力:2040mW 消費電流:1.4A
電圧:7V 出力:2550mW 消費電流:1.4A

*入力電力:100mW
電圧:5V 出力:1570mW 消費電流:1.2A
電圧:6V 出力:2170mW 消費電流:1.5A
電圧:7V 出力:2810mW 消費電流:1.5A

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推奨動作電圧が3V〜4Vですので、アマチュア的には6Vでの 動作が安定してよい感じです。


スプリアスですが、第二高調波、第三高調波が認められましたので
簡単なLPF(ローパスフィルター)を挿入したところ、法定内に収まりました。
LPFはマイクロストリップラインで作り、再現性も良く出来ました。
LPFの帯域内の通過損失は約0.7dB程度です。



右上が入力、左が出力側です。

基板が出来上がりました、配布を致します。

ご注文、ご質問はこちらまで 



コスモウェーブから基板、パーツ付基板、完成品を販売してもらうことになりました。
そこで、基板を入手した方の為に調整法を解説します。

まず初めに基板をしっかりした放熱器に取り付けます。シリコンはデバイスの下辺りに薄く塗ると 良いでしょう。

入力及び出力のラインにコネクターorケーブルを取り付けます。近くにグランドパターンが有るので利用します。 ケーブルは1.5D−2Vでも構いませんがテフロンケーブルが良いでしょう、セミリジッドケーブルを使うときは パターンを壊しやすいので注意して取り付けてください。

16V100μFのコンデンサーのランドをジャンパーします。このランドは3端子レギュレーター(78T05)用を です。このレギュレーターは5V、3Aの規格です。もしレギュレーターを取り付けるときは、電流容量とICの端子の 向きに注意してください。通常の7806等のICは最大電流が1Aですので使用できません、注意してください。

調整は2KΩのVRでパワーが最大のところにバイアス電圧を調整するだけです。そのときにバイアス電圧が4Vを超え ないように注意してください。過電圧のですと、最悪の場合FETが破壊します。VRは何度か繰り返して調整してください。
その後ゲートの電圧をテスターで計測し、2.5V〜3.5Vになっていれば問題ありません。
ドレイン電流(無負荷電流)が1.5A以下になる様にしましょう。

以上で調整終了です。
FETは熱で出力が下がって来ますので、放熱は十分行ってください。

専用LPFを取り付けた場合ですが、スタブの追加で出力が増す時がありますので、もう少しパワーがほしいときは、 LPF写真の左側の長方形のパターンと細いラインの交点辺りにスタブを追加してみてください。
調整時にショートさせると、FETが壊れますので細心の注意をしてください。




回路図はこちらです(PDF)


基板が出来上がりました、配布を致します。

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