5.7GHz帯小型パワーアンプの製作

最近、低電圧で動作するパワーMMICを見つけました。
電源電圧5Vで5.7GHz帯で1W程度の出力が得られそうです。

そこで今回は、このMMICを使用して5.7GHz帯の小型パワーアンプを製作してみました。
使用したデバイスはHittiteのMMICで「HMC406MS8G」と言う製品です。

元々は無線LAN等に使用されるデバイスのようですが、FM、SSBではパワーが 出そうです。

MMICですが少し周辺回路が多いのですが、何とか小さなケースに収まるように 工夫して基板を考えてみました。

予定されるスペック
電源電圧:DC7〜15V 300mA(内部はDC5V)
周波数:5.6GHz帯 アマチュアバンド
ゲイン:17dB (10mW以下の入力)
最大出力:1W (50mW入力時)
基板:R−4737 t=0.4mm
ケースサイズ:32mm×36mm×12mm(突起部を含まず)

こんな感じで、基板の設計をして見ました。

5.6GHz帯小型パワーアンプ基板

5.7GHz帯の小型パワーアンプの基板がやっと出来たので 早速、試作してみました。

基板はテフロン基板0.4mm厚です。

MMICが非常に小さいので半田付けに苦労しました。
(ルーペを見ながら手ハンダです)

5.6GHz帯小型パワーアンプ実装基板

設計どおりの部品定数で組み立ててみましたところ、まあまあの値が得られました。

内部の電圧はDC5Vで動作しています。
3端子レギュレーターで5Vを作っています。

DC12Vで動作させたところ、電流値は約350mAでした。
(LEDを点灯させている為に少し多く流れているかもしれません)

5760MHzで入力を20mW入れたところ、約600mWの出力が得られました。
予定より少しゲインが少ないですが、予想範囲内です。

製作した5.6GHz帯パワーアンプの特性を測定してみました。

測定するに当たって2台アンプを製作して見ました。
これはSGの出力レベルが足らないので、1台でパワーを上げてもう1台のアンプに入力して測定しました。

2台のアンプを測定しましたが、同じ様な感じの特性でした。

周波数は5760MHzで測定しました。

 入力mW   出力mW
 1mW    60mW
10mW   485mW
20mW   670mW
30mW   765mW
40mW   810mW
50mW   830mW

どうも800mW出力で飽和しているようです。
電流は6Vで300mAでした。
(入力レベルはそれ程正確ではありません、また測定中にアンプの温度が上がっているので、特性がばらついてます)

もう少し出力が出ないか調整してみましたが、殆ど変わりませんでした。
この辺が限度なのかもしれません。
これでも、ちょっとした実験用のパワーアンプに使えそうです。

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