5.6GHzパワーアンプの製作

念願のパワーMMIC 「TMD0507−2A」が入荷しましたので、早速実験をしてみました。
(発注から7日で届きました)

このモジュールは東芝のパワーMMICで、5GHz〜7GHzまで広帯域で使用できます。

スペックは下記の通りです。

TMD0507−2A
VDD:10V
VGG:-5V 
Pin:20dBm MAX
FREQ:5.1GHz〜7.2GHz
MAX-POW:2W

このMMICは入出力が整合されており、とても使いやすいデバイスになっております。
ドレイン電圧は4箇所も与えなければなりませんが、すべて10VでOKです。
ゲートバイアス電圧は−5Vで調整する箇所は特にありません。
GAINは20dB以上もあり、低入力の場合は25dB程度のゲインが得られます。
10mW程度の入力で5.6GHzでは2W以上のハイパワーが得られます。
ドレイン電流はVDD10V、VGG−5Vの時にIDは1.7A以上あります。



今回は適当に基板を作成してから、実験して見ました。
基板は今回も0.6mm厚のPPO基板で製作しています
実験に当たっては、アルミミーリングケースに回路を組み込み、内部にレギュレーター(LM338T)でVDD電圧を得ています。
また、VGG電圧はLM2662を使用して−5Vを得ています。
入出力コネクターには、SMAJ端子を使用しています。電源端子は1000pFの貫通コンです。

SGから5760MHzをCWモードで入力して電力を測定しています。
パワー計はHP437B+HP8481Bで測定しました。



周波数:5760MHz
入力:10mW
電圧:13.8V(VDD 10V)
VGG:−5V
出力:2W以上(ピーク)



ほぼ無調整で、2W以上のパワーが出ました。
電流値は13.8V入力で2A流れるので、かなりの発熱があります。
このMMICも温まってくると、当然パワーは下がってきますので、十分な放熱が必要です。



広帯域アンプですので、5GHz〜7GHzまで測定しましたが、2dBほどゲインの変動があるようです。

調整がほとんど必要ないので、自作には簡単に出来そうです。
これからも続けて実験してみたいです。近いうちに各種特性の測定を行います。

2007.11.13(更新)

製作したアンプの特性を測定してみました。
測定にはネットワークアナライザーを使用して、5.0GHz〜7.5GHzでGAIN測定をしました。 入力電力は0dBmとしています。



また、5760MHzでの特性は



結果的には10mW(10dBm)の入力ですと、3W以上の出力が得られました。
アマチュア無線ならずとも、各種の実験に使用できそうです。



回路図


2007.11.13(更新)



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