前回と同じように、NECから発売されたのMOS−FETを使ってパワーアンプの実験をしてみました。
今回のデバイスはNE552R479A(NEC)を使ってみました。 このデバイスは2.4GHz用のMos−FETですが、今回は1.2GHzで使用してみました。
結果は、思ったよりパワーが出ました。
- 電源電圧:6V(VDS)
- 入力:100mW
- 出力:1.5W
- ID:450mA(set)
- 電流:約700mA(ID)
こちらも効率が約50%以上はあり、発熱も少なくなりました。
今回は1.2GHz専用に考えて、可変電圧レギュレーター(LM317)とLPFを実装した、一体型の基板を作成しました。 特にLPFは楕円関数を使ったもので、スプリアスは60dB以上の減衰が有りました。スペアナではスプリアスを観測できないほどです。
FETの電圧は6Vですので、電源電圧は8V〜15V入力で使用できますし、電圧が可変できますのでパワーコントロールも可能です。 基板のサイズですが、45mm×27mmですので、組込み用としては最適です。
★調整方法
- バイアス調整用のVRを中間位置にセットしておく。
- 電圧調整用のVRで6V〜6.5Vに設定する。
- 100mW程度入力して、バイアス調整のVRで最大パワーにする。
- トリマーコンデンサーを調整し最大出力になるようにし、(3)(4)の調整を繰り返す。
- バイアス電圧が、3V前後であることを確認する。
- パワーが少ないときは、図面の位置にジャンパー線を入れフィルターの調整をする。
*電圧(Vds)を変更した時は、必ずバイアス電圧を再調整してください。 *バイアス電圧(Vgs)は5Vを超えないようにする。
自作のケースに入れてみました。 ケースはヒートシンクも兼ねていますので、連続運転でも大丈夫そうです。 入出力のコネクターはSMAとしました。 電源は貫通コンデンサーで供給します
完成したケースの寸法は54mm(W)×45mm(D)×16mm(H) 突起物を含まず。
★測定結果
FETの電源電圧を6.5Vに調整して、入出力の測定を行ってみました。
- 電源電圧:12V
- 入力周波数:1280MHz
- FET電圧(Vds):6.5V
- ドレイン電流(ID):670mA
- バイアス電圧(Vgs):3.2V
入力電力:出力電力(mW)
- 10mW --- 380mW
- 20mW --- 690mW
- 50mW --- 1290mW
- 100mW --- 1630mW
測定の結果はゲインは約15.5dBで最大電力(IP3)は1.6W(100mW入力)になりました。
回路図はこちらです(PDF)
基板が出来上がりました、配布を致します。
ご質問はこちらまで
購入はコスモウェーブ・オンラインショップ
|
|