9Vが13.8Vに! 昇圧コンバーターの製作

LM2577(ナショセミ)を使って昇圧コンバータを作ってみました。

このICは降圧、昇圧と各種のシリーズが出ている、電源用のICです。

機能はステップアップ( 昇圧)、フライバック、およびフォワー ドコンバータ型スイッチング・レギュレータの電力/ 制御機能のす べてを内蔵したモノリシック集積回路です
。 このデバイスには12V、15V の固定出力電圧バージョン、およびADJ の可変出力電圧バージョンがあります。

今回は固定出力を可変型として使用しています。
これは間違えて出力値を設定しても、過電力にならない為です。

実験結果ですが、

  • 入力電圧:9V〜13.8V
  • 出力電圧:13.8V(変動値は0.2V以内)、出力電流:1.5A以内
  • 基板サイズ:40mm(w)×40mm(d)×25mm(h)
鉛蓄電池、ニッカド電池、リチウムイオン電池 等を使用しても、安定して 13.8Vの出力か得られますので、移動運用には便利と思います。
また入力電圧が変化しても、安定した出力電圧が得られますので、バッテリー が電圧降下しても、出力電圧は一定に保たれます。

13.8V昇圧基板




電源の出力波形をオシロスコープで観察してみました。
フライバック方式の昇圧コンバーターですので、スパイク電圧が観測できました。
  • 入力電圧:12V 電流:2.2A 
  • 出力電圧:13.8V 電流:1.68A
  • 負荷抵抗:8.2オーム

周波数は100KHzでスパイク電圧は0.6Vp−p有ります。

出力側のスパイク
1V/DIV,10uSEC

そこで、スパイク電圧を除去するために、出力側に10000μFのコンデンサー を挿入すると、かなり軽減されました。

出力側のスパイク(コンデンサー付)
1V/DIV,10uSEC


次に入力側の波形を観測してみましたところ、出力と同じように 100KHzのスパイク電圧を観測することができました。
1.2Vp−pのスパイクを観測できます。

入力側のスパイク
1V/DIV,10uSEC

入力側がバッテリーでは問題ないのですが、他の装置から電源を使う場合は、 場合によりますが、影響が出るかもしれません。
そこで、電源フィルターを製作して、スパイク電圧の軽減をさせてみました。

入力側のスパイク(フィルター付)
1V/DIV,10uSEC

ほとんど波形を観測出来ないまでに軽減できました。これで入力側には影響がなくなるとお思います。
自動車等で使用するときは、かなり有効です。



電源フィルター
・電源フィルター




簡単なケースに入れてみました。
  • サイズ:75mm(w)×70mm(d)×30mm(h)
  • 重量:100g

昇圧コンバーター(完成品)

これでしたら、移動運用にも楽に持って行けますね。
FT−817等の無線機は電圧が低くなると、パワーが出なくなるので重宝します。
実際に使用したところ、ノイズも無く快適に運用できました。

13.8V昇圧コンバーターの回路図はこちらです(PDF)


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