広帯域アンプの製作(300MHz〜10GHz)

ミニサーキットの新しいMMICデバイス「GALI-39」を使用して、広帯域のアンプを製作してみました。

基板にはGALI-05で製作した、両面スルーホールで0.6mm厚のPPO基板をそのまま使用しました。
回路定数はほとんど同じで、周波数帯域はカップリングコンデンサーの値を4pFにしましたので、300MHz〜10GHzまでの広帯域アンプを作る事が出来ました。

今回の広帯域アンプも周波数カウンター、スペアナ等の測定器にも十分実用になると思います。もちろん受信機に使用しても大丈夫です。

デバイスには、ミニサーキットのMMICデバイス「GALI−39」という高周波増幅ICを使っています。



回路図




基板パターン





試作基板

このMMICも入出力の整合されている高周波ICですので、製作は簡単でした。12Vの電源を使える様に、レギュレーターを基板上に配置してみました。
78L08Fを使い8Vの電圧を得ています。
基板の材質にはPPOの0.6mm/18uの両面基板で製作しています。



測定 周波数特性(利得) 400MHz-3800MHz




測定 周波数特性(利得) 2GHz-10GHz


まず周波数特性をネットワークアナライザーで測定してみました。400MHz〜3600MHzまではGAINは30dB以上を得られました。1295MHzでは36dBもの利得を得られました。
全帯域で入出力のリターンロス(整合)も良好でした。
その上の周波数は、スカラーネットワークアナライザーで計測しました所、8GHzまでは20dB以上でした。10GHzでも10dB以上の利得です。
  • 300MHz  18.6dB
  • 430MHz  31.6dB
  • 800MHz  36.3dB
  • 1295MHz 36.7dB
  • 2427MHz 34.4dB
  • 5760MHz 27.4dB
  • 8.00GHz 21.8dB
  • 10.0GHz 10.6dB


●性能測定の結果
  • 周波数:300MHz〜10GHz
  • 利得:30dB以上(1290MHz、2450MHz)
  • 利得:25dB以上(5760MHz)
  • 電圧:10V〜15V(本体:8V)
  • 消費電流:100mA以下
  • サイズ:15mm×25mm




パワー測定 5760MHz


このアンプもスペアナに取り付けて、色々な電波を探ってみましたが、これも本当に良く働いています。ノイズレベルも低いので(S/Nが良い)ので色々な機器に応用できそうです。
基板の大きさは15mm×25mmですので、切手よりも小さく機器の組み込みには最適でしょう。
基板を新設計したので、GAINもパワーも良くなりましたので利用価値が上がりました。

最大出力が10mW以上有りますので、簡易なパワーアンプにも使えると思います。


(2007.06.19更新)


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