「ATV通信・アマチュアTV」入門
アマチュア無線を運用されている多くの方はCW、SSB、FMと
おもに音と音声を利用したのモードで楽しまれていると思いますが、
1200MHz以上のアマチュア・バンドではATVと言う映像通信
モードが許可されています。
「ATV?」と言われても馴染みのないモードですが、ATV=アマチュア
・テレビと呼ばれる映像・動画通信モードです。
簡単に言いますと、お茶の間で見ているテレビ放送と同様と考えて下さい。
ATVモードには現在AM−ATV方式とFM−ATV方式があります。
AM方式は振幅変調(地上波TV方式)を用いて、FM方式は周波数変調
(BS衛星TV方式)を用いております。
現在ではFM−ATV方式の方が、多くの局で使用されています。
FM−ATVは電解強度がある程度あれば、S/N比が優れており、クリアな
映像を送る事ができます。
電波形式はAM方式の場合、映像のみをA5、映像と音声ではA9になり
FM方式では、映像のみをF5、映像と音声ではF9になります。
音声は映像搬送波の副搬送波(現在では4・5MHzが主流)として送信
しています。
FM−ATV方式の映像の受信はBSチューナーでも受信が可能です。
ちょうどBSチューナーの13chが1279・64MHzになりますので
1280MHzのFM−ATVの受信が可能になります。
(BSアンテナのコンバーター用の15V電源はOFFにします。)
ただしBS放送は音声がPCM方式ですので、ATVのFM方式の音声は
復調する事ができません。しかし裏技としてBSチューナーの検波出力に
4・5MHzのFMを受信できるレシーバーを接続すると復調することが
可能です。(HF機、広帯域受信機、ゼネガバ受信機、等)
その他、アナログCSチューナーですとFM方式音声を復調できるものが
あるので、改造なしでATV受信機として利用できます。
1200MHz帯でのATVバンドプランは1273MHzから1290
MHzまで、17MHzの帯域幅があります。1200MHzFM−ATV
では主に1280MHz付近が使用されいます。
実際にATVを楽しむには、各種の器材が必要ですが、最近では家庭用の小型
ビデオカメラが普及していますので、これを利用すれば、あとはリグとアンテ
ナさえあれば、簡単に動画映像通信が楽しめます。
ATVトランシーバーの市販品ではマキ電気のFTVー120Lが有名です。
その他では、ミリコム、福島無線から完成品やキット品が販売されています。
アンテナは各メーカーから販売されている1200MHzアンテナが使用でき
ますが、なるべく八木アンテナ等のビーム・アンテナを使用した方がFBです。
特にATV専用でしたら小型のビーム・アンテナでも十分で、ローテーターも
小型のもので大丈夫です。(予算が有る方は大型の物を・・HI)
同軸ケーブルは損失を考えると、SFAタイプのなるべく太いものを薦めますが、
10m程度でしたら5D−SFAでも十分でしょう。
ケーブルが長くなる場合はアンテナ直下に直下プリアンプを設置すると交信距離
が飛躍的に伸びます。
移動運用では、UHF、SHFは主に見通し距離での通信になりますので、なる
べく標高のある開けた場所で運用すると良いでしょう。
特に山岳運用では、思いもかけず遠くの局と通信ができます。
運用方法は関東地区では呼び出し用、連絡周波数430・590MHzSSBで
「CQ ATV」と相手側を呼び出して映像を送信します。
その他の連絡周波数として1299・80MHzも使用されています。
また映像が受信できたときは、連絡周波数で呼んでみましょう。
ATVでの映像レポートは、M5からM1までの5段階で評価をします。
またカラー映像が受信できたときは「M5C」のようにCをつけ、モノクロ映像
が受信できたときは「M3M」のようにMをつけて表現します。
「ATV」は難しく思いがちですが、意外と簡単に出来るものです、ぜひ皆さんも
ATV通信に挑戦してみませんか?いままでの音声通信より楽しさが倍増すること
でしょう。
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