製 作 方 法
まずジャンクのPA基板を改造します。
ストリップラインの変更、チップコンの追加をします。
(詳しくはマイクロ ウエ−ブ レポ−ト No3の58ペ−ジ、時藤氏の記事を参照下さい)
秋月のパワ−モジュ−ル用基板を半分に切り離します。
(小型化する必要のない方はそのままで使用)
PA基板の足の位置が違うので、位置合わせをしながらランドを作ります。
入力、出力部分はランドの幅を3mm位にします。
ATTが必要であれば、入力側にランドを作っておきましょう。
その他の部分のランドも作ります。
ランド作りには彫刻刀の角型を使うと楽です。
PA基板の足を5mm残して切ります。
PA基板FMC080802の足は
1:入力
2:+10V(1KΩの抵抗を入れる)
3:−5V
4:+10V
5:−5V
6:+10V
7:使用しない
8:出力
の配列になってます。
加工した基板に、PA基板、チップコン、の順に小さい物からハンダ付けします。
PA基板の2、3、4、5、6番、とアース間、78L05の1、3番、(入出力)と
アース間、ICL7660の5番とアース間に0・001μFのコンデンサーをハンダ付けします。
PA基板の1、8番入出力間に100pFのコンデンサーをハンダ付けします。
+10V入力の二個所のランドに10μFのタンタルコンをICL7660の
2、4番の足を反対側に曲げてICの上にタンタルコンを乗せてハンダ付けします。
6、7番の足は必要が無いので切ります。
タンタルコンは極性が有るので注意して下さい。(白マークが+です)
PA基板の2番間に1KΩの抵抗を付けます。
78L05の2番とICL7660の3番ピンをグランドにおとします。
ICL7660の1番ピンは未使用ですが、ICを固定するためのランドを作ると良いでしょう。
あとは各ICとジャンパーを付け入出力に同軸ケ−ブルを付けます。
秋月のLM350Tキットを作り、出力電圧を10Vに調整します。
キットの出力10Vを先ほど製作したパワ−アンプの電源にセメント抵抗を中継して接続します。
あとは各電源とア−スのラインを接続すれば完成です。
(+12V)−−(7805)−−(ICL7660・−5V)
−−(PAのマイナス・バイアス)
(+12V)−−(LM350T・+10V)−−(スイッチ)
−−(PAのプラス電源)
秋月の基板は片面基板なので、ア−スはしっかりとってください。
電源には安定した「10V、2A」位の直流電源が必要です。
私は当初、三端子レギュレ−タ−7809(9V、1A)を使用して実験したのですが、電流に余裕がなかった
ので動作が不安定でした。
LM350Tを使用した電源キットは秋月電子製(600円)で3Aまで使用出来ます。
+10Vはドレイン電圧用でICL7660と78L05はゲ−トバイアスの−5V用です。
このモジュ−ルにはGaAs FETを使用していますので、必ずゲ−トバイアス用の−5Vを先に加え
た後にドレイン用の+10Vを加えてください。
これを守らないとモジュ−ルを一瞬に壊してしまいますのでご注意下さい。
FETを保護する為には−5V側は電源につないだままにして送信時に+10Vを加えると安全です。
回路上では−5V側に大きめのケミコンをだかせ、+10V側には0・2オ−ム、3Wのセメント抵抗
を入れています。
秋月電子の基板は片面基板なのでア−スを十分にとり裏面をケ−ス(ヒ−トシンク)に密着させないと、
動作が不安定になりますので注意して下さい。
本来は両面基板でスル−ホ−ルにするとよいので、技術力のある方はこちらをお勧めします。
放熱は厚手のアルミケ−スに入れたので、ヒ−トシンクを使わなくても大丈夫でした。
約20分間の連続送信テストをしましたが、安定して動作いる様でした。
あまり正確なデ−タではないのですが、性能は以下のようになりました。
- 入力 30mmW(1280MHz F9)
- 出力 約2W
- 電圧 10V 電流 約1アンペア
- ゲ−トバイアス −5V
- サイズ 3cm*7cm (基板+モジュ−ル)
- 利得 20db以上
思ったよりも小型に出来て、ちょうど100円ライタ−位の大きさに成りました。
これを使えば、たばこ箱サイズのパワ−アンプが出来るかも知れません。
このパワ−アンプはFMATV−TX以外にもC601等の小電力ハンディ−機にも利用できると思います。
具体的な製作方法、パ−ツの入手、リスト等がご必要でしたらメ−ルにてお問い合わせ下さい。
多少でしたらパ−ツを用意できます。
続 編
1200MHz・FMATV送信機をマキ電機さんへ持ち込み、各種測定して頂きました。
測定の結果は出力2Wで第一高調波が約−20bdでした。
槙岡さんに相談をした所、パワーモジュールの入力側にトリマーでスタブをもうけ、
出力リレーの所にトリマーをフィルターの代わりにして高調波を抑えました。
トリマーを使ってのフィルター(LC)は大変なのでバンドパスフィルターを使った
方が良いでしょう。
調整した結果は出力は1・7Wになり、高調波は−40db以下にする事ができました。
参考文献:マイクロウエ−ブ レポ−トVol.2、3
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